実際にドイツ語を学習する前に、どのくらい入門しやすいかを英語と比較しながら、ドイツ語受験経験者の私と一緒に見ていきましょう。
ドイツ語とは何者か?
ドイツ語とはゲルマン民族が使用・発展させてきた言語で、英語の起源をさかのぼってもたどり着くような言語です。つまり、英語と共通している部分を持つということですので、ドイツ語を勉強することにより、英語での新たな発見もある可能性があります。
現在は主にドイツ・オーストリア・スイスで公用語になっていますので、これらの国に在住したい方は是非使いこなせるようにしたいです。
ドイツ語の見た目から難度を考える
「私は毎朝勉強します。」という文章を英語とドイツ語で書いてみます。
英語: I study every morning.
ドイツ語: Ich studiere jeden Morgen.
こうしてみると、ドイツ語の各単語が英語のどれに当たるかが、中学の英語の範囲でも大体わかります。単語の並べ方が似ている上に、単語自体も似ている(study-studierenや、morning-Morgen)ものが一部あるからです。
しかし、これだけ書いて「簡単だ」と結論付けるつもりもありません。英語とは完全には一致しないということも、ドイツ語の特徴を抑える上では重要になってきます。次の文章を見てください。
英語: Today the man must read the book.
ドイツ語: Heute muss der Mann den Buch lesen.
いくつもの相違点を詰め込んだ文章になります。ドイツ語では、
①名詞は文中でも大文字から書く。
②中心になる動詞(今回は助動詞muss)は必ず2番目に置かれて、それ以外(今回はlesen)は文末に追いやられる。
③冠詞が1種類ではない。→名詞の性数や格(が・の・に・を)で形が異なる。
例でご紹介したように、英語に比べて重厚そうには見えますが、ヨーロッパ系の言語(フランス語、スペイン語、イタリア語など)では大抵英語よりも複雑なことには変わりないです。
ここで、英語に比べて良くない印象を与えてしまったため、今度は英語に比べて優れている点を2点ほどご紹介します。
①発音が分かりやすい。
②冠詞の違いから、読解の際に要素の働き(が・の・に・を)が分かりやすい。
まずは①について、英語では「同じアルファベットなのに全然読み方が違う!」「読みと綴りが合っていない!」という場合が多数あります。例えば、island(アイランド)のsなんかは意味不明としか言えません。しかし、ドイツ語では(外国語由来の一部を除き)規則通りの読み方をします。
なおフランス語や中国語は、日本人にとって難しい音の連続なので、発音に気を取られてしまうことがあります。
②については「格変化」というものが関わってきます。例えば今の文章ですと、der Mannが1格なので主語、den Buchが4格なのでlesenの目的語、というように語順によらず日本語の「が・の・に・を」が大抵判断ができます。
ドイツ語とメリット・デメリットの話
何か新しいことを始める場合、楽しいことであれば自発的に続けられますが、語学ははっきり言って面白くありません。その場合、損得の側面から第二外国語を決めるということも無意味なことではありません。
大学の第二外国語を選ぶ場合
選び方として「実用性」を挙げる方もいますが、大学の必修の第二外国語授業のみでは実用化できるレベルまで引き上げることは難しいため、そこまで実用性を考慮する必要はありません。(実用化を考えている人は、追加の授業や上級授業を自ら取ったりするので)
授業の雰囲気ですが、ドイツ語の授業を仮面元の大学と東大でドイツ語の授業を受けましたが、人によるとしか言えません。仮面元の大学では会話交流もある授業をされる、明るい性格の先生が担当で楽しかったですが、東大ではただ教員が学生を指名して訳などを答えさせる堅苦しい授業でした。授業の雰囲気はクラス指定される担当教員次第としか言えません。
ドイツ語の難度自体は前節でご紹介した通り、英語を少しでも習ったことがあると理解しやすい箇所もあります。
学生の雰囲気ですが、仮面元の大学でも東大でもドイツ語は真面目な人が多いです(個人の意見)。特に東大では、ある学問分野に特化したような学生も一定数存在し、そのような人の自己紹介を見たところドイツ語>中国語>フランス語の順に人数が多いです。
なぜ東大でそのことが問題になるかというと、3年生からの学部決めのために点数勝負をするからです。必修の授業は語学ごとのクラスで勝手に指定されているため、同じ語学を選んだ学生同士が同じ必修科目を受けることとなり勝負が生じます。しかも成績は相対評価のため、敵が強いほど自分が不利になるため、東大で初習ドイツ語(,中国語,フランス語)はあまりオススメできないかもしれません。
共通テストの第二外国語受験をする場合
共通テストに変わってから英語の難度が非常に上がりました。東大受験でもリスニングが考慮されるようになり、対策がセンター試験に比べて大変になりました。
そこで、共通テスト英語を回避する手段として、第二外国語(独・仏・中・朝)で解くという選択肢が生じます[出願時に別冊子を請求する必要あり]。
共通テストのドイツ語は、センター時代から少し難度は上がったものの、形式変更は無く、構成はセンター英語のような感じ(前半は文法など、後半は読解)です。東大の差し替えドイツ語の勉強をしていれば、過去問で読解や問題形式に慣れるのみで、8割以上取れる可能性が高いです。
共通テストの第二外国語全体のメリットとして、リスニングの時間は試験がないため早く帰宅できるということも挙げられます。外国語は1日目なので、2日目に向けて少し時間の余裕ができる感じです。
一方、デメリットとして共通テストの第二外国語全体としてセンター赤本のような対策問題集の出版物がないということです。なのでそちらで受験をする場合、通常はHPに掲載されている問題と解答のみしか手に入らず、間違えた部分は調べながら学習するしかありません。そのため、順次センタードイツ語の解説記事を作成していきます。こちらは2022年度の共通テストの解説です。

東大の差し替え受験をする場合
東大二次試験の外国語が、ドイツ語が一番役に立ったと思った瞬間でした。詳しい内容は以下の記事に詳しく書いてあります。

こちらは2022年度の差し替えドイツ語の解説です。
