英語で「形容詞」というと、be動詞の後ろに付けて状態を説明(「叙述用法」と言うらしい)したり、名詞の前にそのまま付けて性質を補足(「限定用法」と言うらしい)したりできるような「簡単な道具」(中1で学習)に過ぎませんでした。また「冠詞」と言えば名詞の前にthe, a/anをつけるだけの、中1のしかも最初の方で登場した超基礎項目です。
しかし、ドイツ語では違います。
上の文章で「そのまま」という部分を太字にしましたが、それがドイツ語の名詞を修飾する形容詞で問題になってきます。どういうことかというと、名詞を修飾する際には名詞の性(4種)や、名詞の働きによる格変化(4種)が関わってきます。つまり4×4=16通りの変化が出てきます。しかも、名詞には冠詞[類]が付きもので定冠詞型・不定冠詞型・冠詞類無しによって3つの場合に分かれるので、名詞に付く用法では4×4の表が3つという重い構成になります。
冠詞類
冠詞類について
「der, die, das, die」で有名な定冠詞(英語でのthe)や「ein, eine, ein」の不定冠詞(英語でのa/an)の他にも、不定冠詞と同様の変化をする不定冠詞型、定冠詞と大部分は同様の変化をする定冠詞型があります。
どのようなものがあるか表にまとめておきます。
変化 | 例 |
---|---|
定冠詞型 | 「こ(そ)あど言葉」:dieser, (der,)jener, welcher 各・全:jeder, aller 他:mancher(多くの), solcher(そんな) など |
不定冠詞型 | 不定冠詞:ein 否定冠詞:kein 所有冠詞:mein(私の)など |
冠詞類の変化について
今回の形容詞の格変化というテーマからは逸れますが、他の記事で触れるタイミングも無さそうなので、この場を使ってそれぞれの変化表も掲載しておきます。まずは、学習の初めの方で嫌でも暗記させられる定冠詞の変化表です。
格 | m:男性 | f:女性 | n:中性 | pl:複数 |
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1 | der | die | das | die |
2 | des | der | des | der |
3 | dem | der | dem | den |
4 | den | die | das | die |