大学入学前のほとんどの方にとって、ドイツ語は縁のないものですが、特に東大に向けて「仮面浪人」をしている人にとっては、仮面の裏技というべき大きな突破口となるのではないでしょうか。
その方法が「(一部)差し替え」です。弊サイトでは、差し替えドイツ語についての投稿を柱の一つにします。
(注)この方法は仮面浪人に限定されたものではなく、東大を目指す英語の苦手な人が対象になるものです。業界では「英語ができないと東大には受からない」と言われていたりしますが、全然そんなことはありません。そのための策をご紹介いたします。
1,「(一部)差し替え」とは何か?
文章で説明すると上のような感じです。図で説明すると次のようになります。
<通常時>すべて英語で解答
1Pあたりの負担が大きいのにそれが延々と続くとなると普通の人間なら嫌になります。これで英語が苦手になったといっても過言ではないほどです。リスニング除いて90分弱で解くのはほぼ不可能。
<改良後>最後の部分を他言語に変更
最後の部分が急に問題形式・分量ともに軽くなりました。これなら時間内に終わる可能性あり、他の英語の部分に関しても余裕をもって臨めます。
2,なぜドイツ語にするのか
①中国語、朝鮮語での受験が難しい理由
共通テストや東大の受験案内には、ドイツ語・フランス語・中国語・朝鮮語(東大は一部差し替えのみ)が掲載されていますが、 中国語・朝鮮語は初習者の差し替えには向いていません。 なぜならば、日本に一定数の習熟者の方がいるため、問題のレベルもネイティブに合わせて作られていて、 太刀打ちできないからです。
(注)当然ながら、ネイティブの人はこの制度を利用するのが手っ取り早いでしょう。
②フランス語よりドイツ語を勧める理由
初習者向けとして適している言語は、独仏中朝の内、ドイツ語とフランス語が残ります。では、なぜドイツ語の方がさらにオススメできるのか?
その理由は、(仏語をよく知らない著者が評するのはあまりよくないが、)フランス語に比べて
- 差し替え対策の教材が最低限揃っている
- (比較的)発音が難しくなく、発音に気を取られ過ぎなくて済む
- 文法規則がより英語に近い(独英はゲルマン語派、仏語はロマンス語派)
3,差し替えドイツ語の難度
直前期に突然やってすぐ点数が取れるものではないことは予め断っておきます。これ世界の常識
それでも英語の文法を一度習っている経験のある人は、類似点・相違点に着目しながら勉強を進められ、単語も少しずつ進めていけば、東大の(一部)差し替え問題のレベルであれば、英語よりも高い点数が見込まれると思います。
具体的な問題形式については、大問4は10行前後のドイツ語の文章を和訳するもので、大問5は問題文の指示に従って文章を書き替えたりする「よく文法問題集に載っている文法問題」(関係代名詞や接続詞を用いて2つの文章を1つにする、など)が4~5つあります。特に大問5は素早く解答できることから、その恩恵を感じるでしょう。
2023(令和5年),2022(令和4年)度の実際の問題と、解答解説は以下の記事に掲載してありますので、こちらで雰囲気を感じていただくこともできます。
ドイツ語検定でどうにか(問題形式が異なる)換算すると3~2級程度にあたります。筆者は受験前の12月に3級、受験後の6月に2級を取得しました。
4,まとめ
英語が苦手な東大受験生は、他の科目が完成済み(未習範囲が残っていなければ可)でかつ、2月末の二次試験まで4~6か月程度残っているならば、ドイツ語の一部差し替えに着手した方がよいです。これにより、英語の4文法・和訳,5小説読解のかわりに、4和訳,5文法というあまり言語の才能には関わらない楽な構成になりますので、かなりおすすめです。